総務省と厚生労働省の発表(2013年2月1日)によると、製造業は昨年(2012年)12月の就業者(原数値)が前年同月から35万人減りました。
減少は16ヶ月連続。
新規求人(同)は同11.7%減で、7ヶ月連続で減少。
製造業が雇用を生み出す力の衰えが顕著になっています。
昨年はシャープやNEC、ルネサンスエレクトロニクスなどが業績悪化で工場閉鎖や人員削減を加速させました。
総務省労働力人口統計室の担当者は、「大手電機のリストラは、関連企業も含めて今後も影響する」とみています。
現在、働く人が急激に増えているのは医療や福祉。
社会の高齢化が進んで、求人意欲も旺盛です。
ただ、この分野で生まれる雇用には男女差があります。
製造業で働く女性は昨年12月、前年同月より16万人減少しましたが、医療・福祉では35万人増えました。
ところが、製造業で7割を占める男性は、製造業が同20万人減ったのに、医療・福祉は4万人増にとどまりました。
製造業からの移動がうまくいかないため、男性の失業率は12月、0.2ポイント悪化して4.5%になっています。
さらに賃金の格差があります。
厚生労働省の毎月勤労統計調査で12年の平均年収を比べると、製造業が446万人なのに、医療・福祉は335万円。
製造業の8割未満の水準です。
日本総研の調査部長は「介護や医療は報酬などで経営の自由度が低く、低賃金になっている。 これでは働く人は定着しない。雇用を増やすには規制改革が必要。」と指摘しています。
(朝日新聞より抜粋)
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